【書評】罪悪感がすーっとなくなる本【まずは理解から】

なるほどね

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生きていれば、必ずどこかで罪悪感を感じるものです。

罪悪感があると身動きが取れなくなります。

全てをマイナス方向に考えてしまいます。


そんな諸悪の根源でしかない罪悪感とは何なのでしょう?

どうせ悪いものなら感じないようにしたい。


本書を読んで、うまく罪悪感と付き合っていきましょう。

その前に本記事で、ざっくりとした内容を解説いたします。

もくじ

1.こんな人におすすめ

  • いつも自分を許せない
  • 罪悪感を無くしたい
  • 責任転嫁する人にイライラする

2.罪悪感の正体

罪悪感というものは厄介です。

「自分が許せない」「自分が悪い」と意識できるものなら楽なものです。

中には「私がしあわせになってはいけない」「生まれた時から人は罪深い」

など、潜在的に埋め込まれてしまうものまで様々な種類があります。


罪悪感を切り捨てるのは困難です。

無理なものをしようとすると、

罪悪感を消せない自分がダメな人間だと思い込んでしまいます。

罪悪感を感じていない人などいません。


しかし、罪悪感の裏側には愛というものがあります。

愛の方に意識を向けると、自分を肯定できるようになります。


私たちは罪悪感から、自分に過酷な刑を与えてしまっています。でもそれは、人生をよりおもしろくするための、「ルール」なのかもしれません。

いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本 (Kindle の位置No.141-142).

3.過度な自己犠牲は罪悪感のタネ

「罪悪感=愛」と言われてもピンときませんね。

こんな例があるとわかりやすいでしょうか。

私は社長です。
社員はよく頑張っています。
業績も上がっています。

なのでみんなの給料を上げました。
みんな喜んでくれました。

ボーナスも奮発しました。
みんな感謝してくれています。

週休2日、残業もなくしました。
みんなプライベートな時間が取れて嬉しそうです。

社員の給料を増やした分、私の生活費を削っています。
社員の休みを増やした分、私の休みは無くなりました。

私は生活ができないので借金をしています。
私は今年に入ってから休みをとっていません。

いいんです、いいんです。
みんながしあわせなら私もしあわせです。
私のことなんか気にしないでください。

極端ですが、こんなこともあるでしょう。


この例の社長が過労で倒れたら、

社員は罪悪感を感じてしまうと思います。

それによって、この社長も申し訳ないという罪悪感に陥ってしまうでしょう。

この社長はまず自分を満たしましょう。

  • 最近売り上げがいいよ。俺って経営の天才かも。
  • みんなも一緒に幸せになろうよ。

このようなスタンスでいると、余計な罪悪感を生むことなく、

みんなが幸せになれるのではないでしょうか。


「だれかのために」とがんばることは素晴らしいこと。

しかし、それが自分の心を犠牲にしてのことならば、たとえ善意でした行為も、結果的に罪悪感をばらまく行為に。

まずは、自分が「受けとること」がとても大切です。

いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本 (Kindle の位置No.223-225).

4.罪悪感が強いほど「正しさ」にこだわる

罪悪感の性質のひとつに、

「強い罪悪感は自分を過度に正当化する」というものがあります。


浮気した旦那が、

  • 仕事で疲れていたんだ
  • あいつが誘ってきた
  • お前にも原因はある

と開き直るのは、まさにこの典型でしょう。

本当は悪いと思っているのです。

けれども自分の非を認めず、悪びれずに過ごしてしまうのです。


こんなケースでは皆さんも開き直るのではないでしょうか。

道を歩いていて、誰かと肩がぶつかります。

自分の持っていた飲み物が相手のズボンの裾に少しかかりました。

相手は特に気にしていません。


ここでは多くの人が、

  • すみませんでした
  • 私の前方不注意でした
  • 気をつけます

と素直に謝罪することができるでしょう。


しかし、相手の持っていたパソコンや、「重要」と書かれた書類に飲み物がかかり、

相手が極度にテンパったり、怒りをこちらにむけてきたらどうでしょう?

  • そちらも前を見てませんでしたよね?
  • そんな大事なものなら持ち歩かない方が良かったんじゃないですか?
  • 私も急いでいるので。

こんなこと言わないにしろ、

先ほどよりは、責任転嫁をしたい気持ちが出るのではないでしょうか。


大事なものを壊したら、弁償したり謝るのは正直面倒です。

そんな面倒を避けるため、

自分の責任を相手になすりつけてしまうように心は動きます。


なので言い訳や責任転嫁ばかりする人を見かけたら、

「ああ、この人は罪悪感をしっかりと持っているんだな」

という目でみましょう。

ほんの少しだけ、心の底から許してあげたくなると思います。

罪悪感が強ければ強いほど、それを認めてしまうと、

それ相応の補償や謝罪をしないといけないと思うので、正当化したり、責任転嫁をしたりするもの。

罪悪感が強い人ほど、そういうふうには見えないものなのです。

いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.572-574).

5.他人に対して使わない言葉を使わない

自分が罪悪感を感じたとき、頭の中ではどのような言葉が巡るでしょう。

  • ああ、なんて自分は馬鹿なんだろう
  • 私は周りに迷惑をかけることしかできない
  • 生まれてこなければよかった

もっとひどい言葉を自分に投げかけているでしょうか?

自分自身に対する言葉なので、

何を言ったところで誰かに咎められることもありません。


けれども、もし仮に他人がミスをしたとき、

あなたはそんな言葉を他人に言いますか?

もし自分の後輩が仕事のミスで苦しんでいたら、

  • もういいよ。次に生かそうよ。

と言ってあげる人は多いと思います。


自分にもそんな言葉で接してください。

誹謗中傷を誰かにしてはいけないように、

自分にも誹謗中傷をしてはいけません。

「それが今の私だから」というセリフを自分に言う癖をつけたり、

友だちや後輩に接するように自分自身に接したりすることで、罪悪感から自分を責める習慣を変えることができます。 

いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1181-1183).

6.自分軸で生きていく

罪悪感を感じなくすることは困難ですが、

気持ちを楽にすることはできます。


それには「自分自身の問題だと受け止める」ことが重要です。


こういうことを言うと、「やっぱり自分のせいだったんだ」

と思ってしまう人もいます。


しかし、「自分のせいだ」と思うことと、

「自分に原因がある」と考えることは明確に違います。


仕事でミスをしたとき、「自分のせいだ」と思ってしまう人は、

  • 自分が確認をしなかったのが悪い
  • こんなこともできないなんて、なんて自分はダメなんだ
  • この仕事向いてない
  • 辞めよう

という考えにつながります。


しかし原因があると考える人は、

  • 自分が確認をしなかったことに原因がある
  • 自分は確認を十分にする人だと思っていた
  • 実際は確認が足りていなかった
  • 今度からはしつこいくらいに確認をしよう

こんな感じで、「自分という人間全てが悪い」と捉えるのではなく、

あくまで「自分の中のこの部分が悪かった」という発想を持つことができます。


これは極端な例ではありますが、

『罪を憎んで人を憎まず』を自分に当てはめていけば、

後ろ向きな思考から、前向きな思考に切り替えていくことができるようになります。

なにか問題が起きたときに、罪悪感から「自分が悪い」と責める必要はありません。

自分軸でいられると「自分のなにが原因で、この問題が起きたのか?」というように自己否定することなく、

向き合うことができるようになります。 

いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1126-1128).

7.その他の気になるキーワード

  • 「罪悪感」があるから、「しあわせ」も感じることができる
  • 罪悪感には7つのタイプがある
  • 罪悪感が引き起こす様々な行動や問題
  • すべての問題は、自分で起こしているのかもしれない
  • 「自分」という乗り物を悠々と乗りこなす
  • 自分自身に「無罪」を宣言する
  • 「自分は幸せになってはいけない」という思い込みを手放す

8.まとめ

本書には「自分の許し方」がたくさん載っていました。

もちろんそれは非常に参考になる内容ばかりでした。


それももちろん大事なのですが、

私には「罪悪感はこんな時に感じて、こんな種類があるよ」という項の方が大変勉強になりました。


自分がどのようなときにマイナスの感情になるのかなんて、

大概の人はわかっているようでわからないと思います。


それを理解しておくだけで、

「あ、私今マイナスの感情になっている」

という、自分自身を客観的な目線で見ることができます。


罪悪感に限った話ではありませんが、

「自分の気持ちや現象を客観視する」というのは、心を落ち着ける上で非常に重要です。

「あ、今私動揺している」と意識するだけで、

自分のことを一歩引いた目線で見ることができます。


本書の内容は、

タイトルの通りの「罪悪感がなくなる」とは少し違います。

「罪悪感とうまく付き合う」の方が正確な気がします。

他人が許していないものは誠心誠意謝りましょう。

でも他人が許した事象に関しては、あとは自分を許すように努力してください。

自分の気持ちを無理に押し殺そうとするのではなく、

気持ちを客観視するヒントとして、心を軽くするため、

ぜひ読んでもらいたい一冊です。

「今のままで、そのままの私で、十分しあわせを感じられる」

いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2230-2231).


おまけなんですけど、

「罪悪感を感じる」って正しい日本語なんですかね?

「頭痛が痛い」

「骨折が折れてる」

「毎日がエブリデイ」

と似たような文章になっているような気がします。

そんな感じで「違和感を感じ」ながらこの記事を書いていました。