【書評】自分を操る超集中力【ウィルパワーを使いこなせ】

なるほどね

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今話題のメンタリスト、DaiGoさんによる著書、「自分を操る超集中力」の紹介です。

テレビ出演や経営コンサル、ニコニコ動画での放送や毎日20冊の読書、

ジムや海外旅行など、公私共に充実した生活を送っているDaiGoさんが実践している、

高いパフォーマンスを生む集中力の鍛え方や扱い方が遺憾なく紹介されています。

もくじ

1.こんな人にオススメ

  • 高い集中力を手に入れたい
  • 長い時間集中して作業をしたい
  • 自分の部屋を集中できる環境にしたい

2.集中力の源はウィルパワー

本書は全体を通し、ウィルパワーの扱い方を解説しています。


ウィルパワーとは人が集中するための脳の体力のようなものです。

起きてから集中や選択を繰り返すたび、

人はウィルパワーを消費していきます。


ウィルパワーの厄介なところは、人それぞれ1日の総量が決まっており、

ウィルパワーの出どころは一つしかないところです。

仕事によって集中していてもウィルパワーが消費されるのはもちろん、

家で家族の小言を我慢するときにも、同じようにウィルパワーは消費されています。

つまり

  • 仕事がうまくいかないから恋人とギクシャクしてしまう
  • ダイエットが辛いから仕事に集中できない

これはある意味自然なことなのです。

理性では仕事とプライベートを分けていても、

ウィルパワーはそんなことを識別してくれないのです。

3.集中力の高い人は長時間集中していない

どんなに仕事ができる人でも、一日中集中しているのは困難です。

ではどのように効率的に集中しているのかというと、

短期間の集中を繰り返して仕事に取り組んでいます。


つまるところ、

「今日1日でこれとこれとこれを片付けよう」

という考え方ではなく、

「この30分でこの企画書だけ済ませよう」

という考え方で物事に取り組みます。

おそらくこれは多くの社会人が経験していることで、

「結論が出るまで終わらない会議」

よりも

「時間を決め、その時間内に結論を出すと明言されている会議」

の方が前のめりに会議に取り組めるのではないでしょうか。


もちろん1日の始まりに粗スケジュールを立てることは大事だと思います。

そのあとは「キリが悪いから」とダラダラ作業を引き伸ばすのではなく、

「この時間内にこの業務は終わらせるんだ」

という鉄の意思で仕事に取り組んだ方が、

集中力的にも時間管理的にもメリットが大きいです。

4.喜怒哀楽が高い集中力を発揮するカギになる

「てめーは俺を怒らせた」

という有名なセリフがあるように、

感情をうまく操ると、高いパフォーマンスを発揮することができます。

4-1.怒り

まず集中とは対極にありそうな怒りの感情についてです。

怒りは行動力や問題解決力を高める力になります。

つまり人は怒っているとき、

解決の糸口が見えない課題や企画に向き合うと、集中して取り組むことができます。


また、目的があり、それが具体的であればあるほど行動が積極的になっていくこともわかっています。

  • 悔しいから頑張る
  • 見返すために努力する

一見ネガティブっぽい行動でも、

目標達成や問題解決のためのエネルギーになります。

4-2.哀しみ

人は哀しい気分のとき、注意深くなり、細部に関心を持つことができます。

つまり哀しいときは冷静でフェアな意思決定をしやすくなるのです。


ある実験によると、

哀しい映画を見たあとの方が、思い込みで相手を判断しなかったり、

計算問題でのミスも少なくなることがわかっています。


しかし哀しみの中にいる間は、人の行動力は落ちてしまうものです。

そんな時は無理に行動するのではなく、自分の意思決定を見直す機会にするといいと思います。

4-3.喜び、楽しさ

人は喜びの感情に包まれているとき、喜びの勢いのまま、高い集中状態に入ることができます。

また、喜びは人をクリエイティブにし、目の前の出来事に対する意思決定を速くさせます。

ボーナスが入ったら羽振りの良くなる上司は、まさにこの典型でしょう。


いいことがあったあとは勢いそのままに、

創造的な作業(企画書のアイディア出しなど)に取り組むと、

普段では出せないようないいアイディアに巡り会えるかもしれません。


しかし哀しみのときの逆で、

気分が乗っているときには冷静な判断ができず、前へ前へと進んでしまいがちです。

企画が通った後にセールストークを受けた時は一度立ち止まり、

冷静に検討する時間を設けましょう。

4-4.エモーショナル・プランニング

感情の変化が生まれることを見越し、

1日のスケジュールに組み込むことができます。

これをエモーショナル・プランニングと言います。

例えば、

  • ラッシュ電車に乗った後、課題となっている案件に取り組む(怒)
  • 楽しいランチの後に企画書に取り組む(喜、楽)
  • 哀しい映画を見た後に、1日の行動の振り返りと反省をする(哀)

このように、喜怒哀楽をうまくコントロールすることができれば、

1日の作業効率をもっと高めることができます。

5.習慣化によるウィルパワーの節約

1日のウィルパワーの総量が決まっていることはさっき説明した通りです。

ではウィルパワーを節約し、重要な仕事の時にいいパフォーマンスが出せるようにするにはどうしたらいいでしょうか。


そのアイディアの一つとして、「重要でないものは判断をしないようにする」というものがあります。

Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズは、同じ服を何着ももち、

いつも同じ服装でいることで有名です。

これは「服の選択」という、彼にとって重要でない意思決定を排除し、

より重要な仕事での意思決定に、ウィルパワーを温存していると考えられます。


脳は行動によって疲労をするのではなく、

意思決定によって疲労します。

しかもその意思決定は、大概小さなものの連続です。

たとえば食後の皿洗いにしても、

  • 今やる?
  • あとでやる?
  • パートナーに任せる?

と、無意識のうちに意思決定してます。

その意思決定を無くすため、

「食後はすぐに後片付けをする」という習慣を作ることにより、

ウィルパワーを節約することができます。


集中するとは何か一つにフォーカスすることです。

集中しようと思うことよりも、「他のことをしない」。

これが集中力をあげる一番の方法です。

6.疲れの癒し方

疲れの癒し方は大きく3種類です。

6-1.睡眠

まずは睡眠。

これは割愛します。

疲れているときはしっかり8時間寝てください。

6-2.感覚を癒す

脳は基本的に疲れません。

疲労の原因は脳ではなく、体の他の場所にあることがほとんどです。


大きく分けて神経と筋肉。

特に目にはたくさんの神経が集まっているため、目の筋肉が凝ると疲労を感じやすいです。


目の筋肉を癒すため、目が疲れたと感じたら目を温めましょう。

市販されているホットアイマスクや、蒸しタオルなどを使い、

5分ほど目を温めると眼精疲労やドライアイにも効果的です。

レンジが職場にない人は、視覚情報をシャットダウンするだけでも効果的です。

手のひらにくぼみを作って両目を覆い、

暗闇を5分間見つめるだけでも効果的です。

6-3.不安を書き出す

面倒ごとや不安を放置しておくだけでも、脳は疲労してしまいます。

プレゼンやスピーチをその場で片付けることはできませんから、

そんなときはそのときに抱えている不安や迷いを書き出すだけでも効果的です。

試験前にあらかじめ不安を書き出すことで、

問題を解くために使える集中力が増すこともわかっています。


不安の書き出し方にやり方も何もありませんが、

個人的にはゼロ秒思考がオススメです。

何も考えずにひたすら想いを書き殴りましょう。

7.ポモドーロテクニック

集中力が長く続かなくて困っているという方には、

ポモドーロテクニックという時間管理がオススメです。


これは「25分の集中と5分の休憩を繰り返す」という方法です。

やってみると感じるのですが、

25分を集中すると、意外と短いことがわかります。

この短い時間に「この作業だけは終わらせる」と思うことで、

高いパフォーマンスを発揮することができます。


1日を一つのブロックと考えてしまうと、

あれもこれもとやりたいことが出てきてしまい、

結局全部が中途半端になってしまったという経験はあると思います。


私はSpotifyに、25分の自然音と5分のポップソングを組み合わせたプレイリストを作り、

ブログや読書などの時間管理に使っています。

8.まとめ

今話題のDaiGoさんの本の紹介でした。

彼の思想には賛否が大きく分かれるところだと思います。


しかし、DaiGoさんの著書はどれも面白いものばかりです。

彼は多くの論文からデータやソースを持ってきているため、

文章に説得力があります。

また本書は挿絵も可愛くて、読みやすくなるように配置されています。

DaiGoさんの本はどの本も勉強になるし、何より面白いです。


私はどんな著者であれ、本に罪はないと思っています。

これからも著者が誰であれ、興味を持った本には積極的にアプローチしていき、

差別することなく、

有意義な読書ライフを過ごしたいと思っています。