【書評】変な家【悪夢のマイホーム】

なるほどね

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ある不思議な間取り図から始まるミステリー。

1章目はwebの至る所で公開されるという面白いプロモーションが話題を呼びました。

そんな不思議な物語、不思議な広告方法を打った雨穴氏による「変な家」の感想。

もくじ

1.あらすじ

話題騒然!!2020年、ウェブサイトで166万PVを記録

YouTubeではなんと700万回以上再生!

あの「【不動産ミステリー】変な家」にはさらなる続きがあった!!

謎の空間、二重扉、窓のない子供部屋—-

間取りの謎をたどった先に見た、「事実」とは!?

知人が購入を検討している都内の中古一軒家。

開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に「謎の空間」が存在していた。

知り合いの設計士にその間取り図を見せると、この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が存在すると言う。

間取りの謎をたどった先に見たものとは……。

不可解な間取りの真相は!? 突如消えた「元住人」は一体何者!? 

本書で全ての謎が解き明かされる!

ーAmazonより

2.変な間取りの一軒家

私はホラーかと思って読み始めました。

物件に潜む幽霊的なものを追求していくのかと思ったのですが、

間取りの違和感を事件と絡めるという、ガッツリとしたミステリーでした。

3.あっさりと読み込める一冊

本書は244ページあります。

分量的にもほどほどなのですが、

挿絵の多さや行間の間の大きさにより、ボリューム感よりはあっさりと読み込めます。

会話ベースで進むのですが、

話者の頭に名前が書いてあるため、今誰がしゃべっているのかがビジュアルでわかります。

場面転換ごとに登場人物がどこにいるかも記載されているため、

読書慣れしていない方にもオススメです。

ミステリーにアレルギーがある方、

読書を敷居が高いと思っている学生の方でもとっつきやすいのではないでしょうか。

4.1章目はどこでも読めるよ

作者である雨穴さんのサイトやYouTubeでも本書の1章を読むことができます。

1章目は「疑問」→「監禁」→「殺人」と主人公の考察が進んでいきます。

監禁はなんとなく表紙で想像はつきます。

それを殺人にくっつける発想はぶっ飛んでいて好きでした。

ただ、2章3章と進んでいくうち、少し物語のこじつけ感が強くなっているように感じ、

気持ちが離れていく場面もありました。

5.紙媒体がオススメ

私は基本は電子書籍派です。

この本は気まぐれで紙媒体で読んだのですが、

おそらくそれは正解だと思います。

間取り図が出てきたり更新されると、新しい間取り図が挿絵として入ります。

文章と挿絵を同時に見られない電子書籍には、少々不向きな物語だと感じました。

(電子版を読んでないので、その点の問題が無ければすみません)

6.間取り図がくどい

本書は文章の合間に間取り図が散々出てきます。

新しい間取りが出てくると間取り図、

間取り図に書き込みがあると間取り図、

寝室がピックアップされると、寝室がアップになった間取り図、

台所がピックアップされると、台所がアップになった間取り図・・・

正直くどいです。

話のテンポが崩れるような気がして、過度な挿絵は少しげんなりしていました。

7.家系図はどこ?

前述した通り間取り図は親切すぎるくらい出てくるのですが、

家系図はさして出てきません。

少々ネタバレですが、

本書には現在の家系図と過去の家系図の2つが登場します。

現代版はまあ1回出てくれば十分かなというものですが、

過去版は少々複雑です。

間取り図は新しい情報が出てくるたびに挿絵が入るのに、

家系図は1回登場したきりで、その後は情報更新されても音沙汰がないのが少々不親切に感じました。

8.まとめ

内容的にも難易度的にも、非常にとっつきやすいです。

私は1時間程度で読了することができました。

前述した通り1章は検索すればどこでも見ることができるので、

試しに1章に触れてみて、面白いなと思ったらそのまま買ってみることをお勧めします。