【書評】ムダの省き方【ムダのない人生はムダ】

なるほどね

なるほどね

「【書評】ムダの省き方【ムダのない人生はムダ】」のアイキャッチ画像

私が一番憧れているブロガー兼YouTuberのトーマス氏の本です。


タイトルだけ見ると、「ミニマリストの本かな?」と思ってしまいます。


しかしトーマス氏はミニマリスト的な思考は少し持っているものの、

本質的には相反する価値観を持っています。

本書はブロガーのトーマス氏が書かれているだけあり、

サクサク読み進められるオススメの一冊です。


今すぐにでも購入していただきたいですが、

その前に私の解説をガイドラインにしてもらえれば幸いです。

もくじ

1.こんな人におすすめ

  • 金銭的にも時間的にも、生活に余裕がない
  • 無趣味無気力人間
  • トーマス信者(私のこと)

2.お金→時間→情報→思考法

本書で紹介されているムダとは、

お金、時間、情報、思考法の4種類です。

トーマス氏はこの4つをこの順番で省いていくように主張しています。

  1. まずお金の不足を解消する
  2. そのお金で時間を買う
  3. 時間を買うと暇な時間が増える
  4. 暇な時間で自分の興味があるものに挑戦していく
  5. 挑戦したものが合わなかったらほかのものに挑戦

こんな感じです。


具体例を出して言うと、

  1. 部屋の掃除をロボット掃除機にやってもらう。
  2. 今まで掃除していた時間に、読みたかった漫画を読んだ。
  3. 意外と面白くなかったから、別の漫画に挑戦。

みたいな感じです。


多くのミニマリストは

『ムダを省いて好きなものに注力しましょう』

と、すでに『好きなものがある』という前提の話が多いです。


しかしトーマス氏は

『ムダを省いて好きなものを探しましょ』

『なんならダラダラ過ごしましょ』

と主張しています。


『ダラダラ過ごしたって構わないじゃないか』

と言うのはほかの自己啓発書にない、肩肘張らないスタンスで私は好きであります。


巷には「毎日を全力で生きろ」みたいな意識高い系のフレーズが溢れてはいるけど、

本当に毎日を全力で生きてしまうと緊急事に対応できないし変化もできない。

重要なのは、いざという時に全力になれる余力を残しつつ、

余暇時間を新たな挑戦への思考と充電に回すことなんだ。

「ムダ」の省き方 お金・時間・モノ・情報・逃げ方の現代流改善術 (Kindle の位置No.179-182). 

3.不健康はムダ

不健康は全てを失う諸悪の根源です。

体調不良で療養しているとき、

動けない時間分の時給はそのまま損失につながります。

もちろんこれはフリーランス的な考え方で、

多くのサラリーマンには当てはまりにくいのかもしれません。


けれども職業がなんであろうと、

病気療養の最中は前述した「挑戦→飽きる」と言うサイクルが回せなくなります。

体は動けないのに挑戦したいものだけ悶々と考えているようでは、

やはり好き好んで不健康にならなくてもいいのではないかと思ってしまいます。

この考えに30代で到達している氏はやはりすごいです。

結局、保険は万が一の多大な支払いを避けるためのものでしかなく、

その万が一は無いに越したことはない。

健康保険は払うだけに留めて、使わないのが一番幸せ。

「ムダ」の省き方 お金・時間・モノ・情報・逃げ方の現代流改善術 (Kindle の位置No.1214-1217). 

4.全力になりすぎない

氏は「挑戦→飽きる」を繰り返すべきだと言っていますが、

「余暇時間を使う」とも言っています。


挑戦は大事ですが、それは生活に余裕があればの話。

全力で毎日を生きていると疲れてしまいます。

金銭的にも時間的にも、余剰になった部分があって、

初めて挑戦できるようなゆとりが生まれます。


受験を控えている浪人生が、

「来週は海外旅行に挑戦だ!」

と言っていたら、「それ今?」と言われてしまいます。


あくまで挑戦は生活の余暇で。

常に片手を空けておくくらいのスタンスがいいのではないでしょうか。

巷には「毎日を全力で生きろ」みたいな意識高い系のフレーズが溢れてはいるけど、

本当に毎日を全力で生きてしまうと緊急事に対応できないし変化もできない。

重要なのは、いざという時に全力になれる余力を残しつつ、

余暇時間を新たな挑戦への思考と充電に回すことなんだ。

「ムダ」の省き方 お金・時間・モノ・情報・逃げ方の現代流改善術 (Kindle の位置No.179-183). 

5.そのほかの気になるキーワード

  • 節約とストレスはトレードオフ
  • 「我慢しない」4つの節約法
  • 時間を節約するために無くすべき「5つのムダ」
  • 興味を持てることを新しく見つける3つのススメ
  • 「逃げ」とは自分の土俵を探す戦略的撤退
  • 将来の夢は意外とすぐ飽きるから拘りすぎない

以上が本の内容です。

6.まとめ

近頃はYouTuberが本を発売することが増えてきました。


本書に限った話ではないのですが、

私個人的には、その人の動画をしっかり見ている人は、

YouTuberの本は買わなくていいのではないかと思います。


と言うのも彼らは自身のチャンネルで、

日頃から自身の主張を日常的に発信しています。


多くの内容は「日頃からこの人こんなこと言ってるなー」とか、

下手したら「これ動画で全く同じこと言ってたな」みたいなことになりがちです。


なので「割とその人の動画見てるよー。だから買ってみようかなー。」

と言う人にはYouTuber本はお勧めしません。

書籍から得られる新しい知見はそこまで多くないと思っています。


もちろんその人のファンは買いだと思います。

私はガッツリトーマス信者なので、特に後悔はしていません。

なんならKindle版と紙媒体の両方を購入しました。

お布施ができて嬉しいです。

7.トーマス氏について

書籍の内容はこんなところにして、

著者であるトーマス氏についても少し触れておきます。

7-1.フリーランサー、トーマス氏

著者のトーマス氏はブロガー兼YouTuberのフリーランサーです。

「フリーランスは自由で身軽で楽しい!」

「好きなことで飯が食える!幸せ!」

こんな発信をされている方が多いです。


氏はそれを否定していませんが、

同様にフリーランサーのメンタル面のキツさも発信しています。


明日の給料が保証されていない分、

毎日毎日働き続けなくてはいけません。

その自転車操業をしている心の余裕のなさは、

多少の収入では埋められないと言っていました。


フリーランサーのその側面を切り口にして発信する方は、

個人的にあまり多くないと思っております。

そんな気取らなくて開けっ広げなトーマス氏はやはり魅力的です。

7-2.開けっ広げ、トーマス氏

メンタル面を開けっ広げに公開している氏ですが、

素顔以外は結構ほかにも公開しています。


YouTuberとしての収益は規約上できないようですが、

ブログとYouTubeをあわせた収益は毎月公開しています。


それどころか「案件です。10万円いただきました。」

みたいな、案件の内訳も公開しています。


本当かどうかはもちろんわかりませんが、

「そんなん言っていいんかい笑」

みたいなツッコミどころを用意してくれるトーマス氏はやはり魅力的です。

7-3.プレゼンが最大の魅力、トーマス氏

ブロガーである氏にこんなことを言うのはどうかと思いますが、

トーマス氏の一番の魅力はプレゼン力の高さだと思います。


近頃はスマホのレビューなどが多いのですが、

内容も笑いもテンポも流れも、全て私のツボをついております。

もはや内容よりも彼のプレゼンを受けるために動画を拝見しています。


「面白い発信内容だなー」と、発信の中身に興味を持つYouTuberさんは多くいますが、

YouTuber本人のファンになったのはトーマス氏が初めてです。

彼がプレゼンをする際に意識していることも動画になってます。

ほかの動画と同様、この動画自体が面白いプレゼンになっているからお勧めです。


7-4.酷評する男、トーマス氏

前述した通り、氏は気取らないし開けっ広げです。


収入だけでなく、自分が使ってみてクソだと思ったガジェットは、

そのままクソだと発信します。


個人的にはそれが本来の感想だと思いますし、

いいところばかりいうレビューはどこか信用ができません。


本記事ではそれに倣って、YouTuber書籍について私の思うところを発信してみました。

氏に憧れる私は、今後は書籍の面白いポイントだけでなく、

疑問点や腑に落ちない点も、少し触れられるようにしたいです。

8.終わりに

自己啓発本が好きな私がよく目にする言葉が、

「挑戦を繰り返せ」みたいなフレーズです。

何かに挑戦し続けなくてはダメなように思えます。


けれども気取らないトーマス氏は、「ダラダラしたっていいじゃないか」と言ってくれます。

意識高い系の自己啓発書に飽きている方は、

ぜひ本書を手にとって、自分のできるムダから省いていきませんか。

重要なのは自分が何をしたいかであって、

自分がなにもする必要がないと感じているなら、

なにもしなくていいという話。

おしまい。

「ムダ」の省き方 お金・時間・モノ・情報・逃げ方の現代流改善術 (Kindle の位置No.1866-1869).