【映画感想】時をかける少女【ジブリは偉大】

なるほどね

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時をかける少女は筒井康隆原作の2006年に細田守によって監督された作品です。

もくじ

1.あらすじ

高校2年生の紺野真琴は、理科実験室に落ちていたクルミをうっかり割ってしまったことがきっかけとなり、時間を飛び越えて過去に戻る力「タイムリープ」を手に入れる。

彼女はさっそく「タイムリープ」の力を試すべく、妹が食べてしまったプリンを食べにいく。 自分が“飛べる”ことを確信した真琴は、男友達の間宮千昭や津田功介とカラオケでノドが枯れるまで歌ったり、3人で何度も野球をして好プレイを連発してみたり・・・。何気ない日常を思う存分満喫するのだった。

何があっても大丈夫、また戻ればいい、何回でもリセットができる。そんな楽しい毎日が続くはずだった。千昭が真琴に「俺とつきあえば?」と告げるまでは。Time waits for no one.(時は人を待たない)。

タイムリープ」を繰り返し、残り回数が底をついたとき、真琴は自分にとって一番大事なかけがえのない時間がそこにあったことに気づくのだった・・・。

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2.こんな人にオススメ

  • タイムリープものが好き!
  • 青春映画の甘酸っぱさが好き!
  • 友情ものに弱い!
  • SFが好き!

3.好きな点

  1. 学生時代に感じていた夏の眩しい雰囲気
  2. 映画後半のストーリー展開

好きではなかった点

  1. モノトーンなセリフ読み
  2. 感情移入しにくい主人公
  3. 前半の日常的なストーリー展開

まずは好きだった点からお話しします。

①学生時代に感じていた夏の眩しい雰囲気

主人公が女子高生なのでその身の回りに起こる出来事の話です。

決して世界を救うとか大きな話は出てきません。


ストーリーが主人公周りの小さい範囲で行われている分、

学生時代の自分の気持ちに素直になれない不器用な部分がうまく表現されていました。

私がみた時期(6月後半)がよかったこともあり、

夏の眩しくて暑苦しい感じがうまく伝わってきました。

ふとアイスが食べたくなります。

②映画後半のストーリー展開

後半の展開が好きでした。

主人公がタイムリープをして気に入らない現在を改変していくストーリーに少し飽きてきた頃、

それまでとは少し違った事実が入ってくる点が非常に良かったです。


「自分のためにタイムリープをしていた主人公が他人のために能力を使うんだろうな〜」

という先読みができるような展開の斜め上をいかれたような脚本が興味深かったです。


以上が好きだった点です。

以下がそうではなかった点です。

結構あります。

4.嫌いな点

❶モノトーンなセリフ読み

登場人物の多くが棒読みな印象を受けました。

それが気になってしまい、感情移入できる登場人物が少ないように感じました。

一番台詞の多い主人公が喜怒哀楽のうすい演技のように思え、最後まで感情移入ができることはありませんでした。


泣いてるシーンも笑っているシーンも、

『「えーん、えーん」というセリフ』『「ワッハッハ」というセリフ」』を読んでいるようにしか感じられませんでした。

カラオケで喉を潰すシーンでも特に声がしゃがれている風に思えませんでした。


仲里依紗さんが役者としての演技力は存じ上げませんでしたが、

本作ではつぶやくように台詞を言っている印象があったため、

主人公のキャラクター性が全体的に薄くなってしまった印象です。


そして主人公の妹は輪をかけて酷かったです。

飛び降りを止めるときの、

「オネエチャンダメー」

は棒読みを通り越して笑えました。

❷感情移入しにくい主人公

繰り返しにはなりますが、主人公には最後まで感情移入できませんでした。


いくつか理由はあるのですが、一つは先ほど触れた通りのモノトーンな演技です。

ジブリでも棒読み演技は有名ですが、

あちらは表情や色使いがわかりやすくキャラクター感があるため、多少セリフが素人くさくても気になりません。

本作は作画がジブリやディズニーより写実的であるため、

より主人公の言葉が薄い味付けのように思えてなりませんでした。


そして主人公は高校生なのですが、

行動や考え方が幼いように思えます。

小学生を見ているようでした。

恋に奥手、キャラクターは元気ハツラツ、

過去を改変するとき、そもそもの原因を取り除かない。

そのせいで一回過去に戻ればいい問題を、

2回3回戻ってようやく解決すると言うことが複数ありました。

❸前半の日常的なストーリー展開

後半のストーリー展開は興味深かったのですが、

映画前半(1時間くらい)は非常に退屈でした。

相変わらず感情移入しにく主人公が、周りで起こる問題解決に四苦八苦していても、

見ている私は手に汗握ることもできずに、ただストーリーが動くことを待つしかありませんでした。

5.まとめ

総合評価:3点/10点満点

私がある程度大人になってしまい、

女子高生である主人公に感情移入しにくいというのは少なからずあると思います。


けれどもそれを踏まえてフッと映画から気持ちが離れてしまうような演技や行動が目立ったため、

映画前半はとにかく冗長で退屈に感じました。


それでも坂を転げるように展開される後半のストーリーは良かったです。


今ならAmazon primeで見られるため、

SF好きやタイムリープ好きの方にはオススメです。