【書評】ゼロ秒思考【考えるな、書け】

なるほどね

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「どうしたら自分の考えを正確に人に伝えられるんだろう?」

「文書や企画書をスムーズに作りたい!」

「自分の気持ちをうまく言語化できない・・・」

そんな風に頭の中を整理したり、考えを引っ張り出すのは簡単なようで難しいです。


本書では

  • なぜ自分の考えをまとめることはそんなに難しいのか
  • 深く考えるにはどうすればいいのか
  • 解決策を阻害するのは何か

そんな問題を一度に解決してくれる、魔法のようなメモ書きの方法を細かく教えてくれます。

もくじ

1.こんな人にオススメ

  • 常に何かに悩み、考えても答えが出ない人
  • 考えが浅いと上司から突っ込まれる人
  • 感情的な愚痴を言ってしまう人

2.感情の後に行動してしまうクセを改めよう


人が物事の解決策を考えるとき、いきなりアイデアが出てくることはそうそうありません

  1. 感情が湧き上がる
  2. 考えが湧き上がる
  3. 考えを整理する(感情、事実、対応策、他人の課題等を仕分けする)
  4. 考えが文章になる
  5. 仮説を立てる、仮説を深掘りする
  6. 課題解決に動き出す

大まかにこのような流れになるのですが、


愚かな人は2〜5をすっ飛ばしてしまい、感情のままに行動しようとしてしまいます。

それではその時だけスッキリすることはあるかもしれませんが、


根本的な解決にはならず、また同じ過ちを繰り返してしまうこともあるでしょう。


映画の感想に「面白かった」しか言えない人も、感情を言葉にしているだけです。

感情が湧き上がってから行動に移すまでの間にしっかりと「思考する」ことを挟み込むことによって、


深くて建設的な行動を取ることができます。


しかも慣れていくと思考の速度もぐんぐん速くなっていきます。

そして考えを出すのはしゃべったり脳内だけでも処理できますが、


こと「整理する」という段階では思いを書き出すという行為が非常に大切です。

その思いの書き出し方をまとめたのが本書でも記されている下記の方法です。

3.ゼロ秒思考のやり方


  1. A4用紙にテーマと日付を書く
  2. 本文を4〜6行書く(おおよそ20〜30字程度)
  3. 一日10枚程度書く

以上です。簡単です。すぐできます。


ポイントはこんな感じ。

  • 思いついたままに書く
  • 1分以内に書く
  • 思いついた時にサッと書く
  • 思いつかなくなったら次のシートに移る

私も毎日実践しているのですが、

とにかく順番やグチを気にせず書いています。

どうせ誰にも見られませんし、ただ私の考えを整理するだけのものです。

また、悩んでも大した考えは出ません。

考えて書くと言うより、思いつくままにペンを走らせるイメージです。

私の場合は今書いているテーマについて思いつくことがなくなったら、

2行しかかけてなくても次のテーマに移ります。

さっき書いたアイデアを深掘りする時もありますし、

全く違うテーマに移ったりもします。

考えは浮かんでは消えを繰り返すので、

次のテーマを書いてると、フッとさっき思い付かなかったものが出てきたりもします。

4.人にグチるより建設的


ロ秒思考の一番いいところは人にグチを吐かなくなることです。

まずメモを誰かに見せるわけではないので、誰も不幸にしません

グチが噂話になって自分の評価を下がることもありません。

そして人間は感情的になっているとき、人に言われた反対意見は素直に受け入れられません

けれども考えを書き出して思考を深めていくと、

結局「これからどうすればいいのか」に行き着くことが多いです。

人の意見は素直に聞けなくても、自分の中から湧き上がってきたものには素直に従ってしまうものです。

『上司が飲みに誘ってくる』

という問題に対して

『趣味を作って断る言い訳にする』

というアイデアがあったとして、他人にアドバイスをされると

「でも平日は仕事で疲れてるし…」

と後ろ向きに考えます。

けれども自分で考えたアイデアだと

「ダイエットのためにもなるしジムに通おう」

「前から気になってた海外ドラマを毎日少しずつ見てみよう」

「副業を始めてみよう」

みたいに前向きに捉えがちです。

グチを言って何にもならずに自分の評価を下げる人間になるくらいであれば、

思考を文字に起こして解決策や次の行動のヒントにした方がよほど建設的です。

5.私が実践していく上で気をつけていること


私も以前からゼロ秒思考を実践しています。

このブログも原稿に起こす前はゼロ秒思考でアイデアを整理しています。

本書に書かれている通りの「1分で1枚書く」というのは、現実的にかなり厳しい時間になります。

私の場合は1分半〜3分かからない程度の時間に収まることが多いです。

ただしそのくらいのスピード感を意識して、とにかくペンを動かすことは大賛成です。

5分考えたからといって5倍いい考えが浮かぶかというと、全くそんなことはありません。

ペンが止まってしまうと終わりなので、

「なんだろなー」でもいいから書き続け、とにかくペンを止めないことが大切です。

また、アイデア出しのためにメモ書きをし、いい考えが浮かんだら、

その考えだけはすぐに他所に避難させておくことをオススメします。

私の場合は書いたものを基本的に見直さず、ある程度貯まったらまとめて捨ててしまいます。

なので書きっぱなしにすると、書いた紙を探し出すのにまた手間がかかってしまいます。

自分の脳に定着しないうちは何度でも同じテーマで書き、

いい考えが浮かんだらスマホや別のノートに書き写すようにしましょう。

6.まとめ


本書のメインは、3章目で記されているメモ書きの方法です。

ただしメモ書きの方法だけしか読んでない人は、本書で学べる半分程度しか実りがなかったと思います。

1・2章で語られた感情から行動までの思考の動きや、

4章でのロジックの発展のさせ方は非常に勉強になりました。

ぜひ本書を手に取って、日々の思考を深めるためのゼロ秒思考を鍛えてみてください。